目標設定と臨床推論へのこだわり

当施設をご利用される方の多くは、麻痺側の手や脚の後遺症の改善を希望されますが、我々は「改善の先に、どのような事が出来るようになりたいか」という観点を大切にしています。

初回のカウンセリングにて、手が動くようになりたいとのご希望が聞かれた場合、少し踏み込んでお聞きすると

  • 着替えの際、楽に袖を通せるようになりたい
  • お茶碗、あるいはお箸を持ちたい
  • 麻痺側の手を使って洗濯物を干したい
  • ハンドルを握って運転したい

など、具体的に「〇〇が出来るようになりたい」というご希望をたびたび伺います。

上記のような目標は「麻痺側の手を使った動作」、という点では共通していますが、それぞれが異なる関節運動や筋活動の組み合わせで構成されています。

そのため、リハビリすべき内容や順序性は異なり、麻痺側の手そのものよりも脚や体幹などのリハビリから開始する方が効果的な場合もあります。

脳卒中後遺症の改善には、目標動作の細分化と小さなゴール達成の繰り返しが非常に重要です。漠然と筋肉をマッサージしたり、ただただ歩いたり、手や脚だけをトレーニングしておけば改善するわけではない、という点についてはご理解ください。

誤ったお薬を飲んでいては病気が治らないのと同じように、誤った内容や順序でのリハビリを繰り返していても、なかなか症状は改善していきません。

当施設に在籍している療法士は全員が12年以上の臨床経験を有しており、「目標達成に向けて、関節や筋肉をどのような順序で刺激・活動させるべきか」という臨床推論能力に長けております。より良い刺激、より良い運動経験が、目標の成就につながるよう徹底的に分析、アプローチします。

触れる事への追求

脳は五感や平衡感覚の他にも、皮膚や筋肉、腱などから膨大な刺激(感覚情報)を受け取っており、それらを適切に処理する事によって姿勢や運動を生成しています。

ゆがんだ感覚情報を受け取ってしまうと、そこから繰り出される姿勢や運動もゆがんだ状態となり、力が入りにくくなったり、必要以上に身体をこわばらせた動作となってしまいます。

筋肉を活動させる為の手がかり(感覚情報)が得られないと、脳からの指令は筋肉へ届きにくく、期待しているような筋活動を促す事は出来ません。

私たちはハンドリングと呼ばれる技術を用いて、張りを失ったり縮んでしまった筋肉の形状を整え、動作中に刺激を与えてより強い筋活動を呼び起こしながら、姿勢と運動を制御する神経システムの改善を図っていきます。

リハビリを受けられた利用者様からは

  • 「どうすれば力が入るのか分かった」
  • 「病気の前みたいな懐かしい感覚」
  • 「頑張らなくても勝手に踏ん張れるようになった」

等の感想を頂いております。

専門性の高いリハビリにご興味がありましたら、是非ともハレアスのリハビリをご体験ください。
当施設では日々のリハビリ業務で深めた知見や経験を、ナイトセミナーを通して、近隣の医療機関などの療法士への教育事業を行っています。

支援者チームの一員としての自覚

症状改善には「専門性が高い療法士とのリハビリが重要」というのは言うまでもありません。しかし、より高い目標に到達するためには、「ご本人と支援者全員がチームになり、どれだけ一丸となってやれるか」の方がはるかに重要ですし、効果的です。

「小舟に1人で乗ってしまえば遠くに行けないのと同じように、もし遠くに行きたいと思うなら大きな船にみんなで乗ってみんなで漕ぎ出すべきだ」というのが私たちの想いです。

毎回のリハビリの効果を次回に持ち越して積み上げていくには、リハビリをしない23時間の過ごし方、あるいは1週間の過ごし方が重要です。

  • ご自宅環境や生活習慣の見直し、ご本人様やご家族へのホームエクササイズの指導
  • 保険内の担当療法士との連携で、より良いリハビリのサイクルを構築
  • 新たな介護サービスや福祉用具をケアマネジャーに提案

等、ありとあらゆる方面から共同でアプローチ出来るよう、生活全体のコーディネートを目指します。

これらの連携の他にも、装具外来による装具の再作製、就労支援事業所との連携、運転再開に関するサポートなど、医療・介護の狭間によって手続き上課題になりそうな問題に対して、ご相談を承っております。

実際のリハビリの流れ

目標を設定

利用者様の希望や悩みを聴取し、現在のお身体や生活状況、合併症などを踏まえ目標やリハビリの期間を設定していきます。

専門的な視点のもと1回1回のリハビリ目標を具体的に立てることで、段階的に最終目標を達成するための計画を立てます。

症状等によっては定期的に検査を行い、検査結果から目標達成への課題と具体的な解決方法を共有します。

課題となる動作、生活行為の様子を確認

担当セラピストの経験や専門的な視点、ハンドリング(対象者の身体を操作・誘導する技術)を用いて課題となる動作を分析し、主要な問題点を探していきます。

特にリハビリすべき身体部位の順序性を誤らないよう、丁寧に分析していきます。

リハビリの実施

分析から得られた主要な問題点に対して、リハビリを行いながらその解決方法を探り、提案していきます。
リハビリにあたり、機器や昇降テーブル等を使用しながら、ハンドリング等を行い、かつてのような運動を取り戻すお手伝いをします。

課題となる動作を再分析、自主トレ指導

リハビリ終了時に、再度動作を評価・分析することでその効果を検証していきます。
ハレアスはリハビリを受ける皆様が効果を感じていなければ本当の意味での改善とはいえない、と考えております。

1回のリハビリで何が達成できて、何が残されているのか、あるいは次回どのようにリハビリを進めるべきなのかをきちんと整理し、言語化してお伝えします。

さらに、次回までに実施して頂く自主トレーニングを都度ごとにご提供します。
トレーニングの内容はお持ちのスマートフォン等で映像を撮影し、保存していただくことで、ご自宅でも繰り返し指導の内容を確認できます。

在籍セラピストの専門領域

脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍、等)脊髄損傷、パーキンソン病、その他、神経難病

※骨折など整形疾患のリハビリもお引き受け出来ます。
その他、特殊疾患などに関してはご相談ください。