小脳とは

小脳は後頭部の深部にあり、大脳、脳幹(脊髄と脳の間にある神経組織)と結び付いています。

筋肉や腱、靭帯や関節の感覚情報(固有感覚)の中でも、とりわけ意識に登らない感覚が小脳に送られており、身体の平衡や眼球運動、手足の細やかな運動を調整する役割を担っています。

小脳は前庭小脳、脊髄小脳、大脳小脳という3つの領域に分けられます。前庭小脳は身体の平衡と眼球運動を制御し、脊髄小脳は筋肉の緊張や姿勢を調節し、大脳小脳は精密な運動や学習・記憶に関与しています。

また、小脳は脳の中に存在するネットワーク全体と関わっており、上記の他に感情(情動)や注意力等の精神機能とも密接な関わりがあります。

小脳に異常が生じてしまうと、脳から身体への伝達がうまくいかず、手足のふるえ(運動失調)が生じたり、真っ直ぐに歩くことが困難になる(酩酊歩行)、言葉がうまく話せない(構音障害)、飲み込みが上手くいかない(嚥下障害)目がかすんで視野が二重に見える(複視)など、日常生活の多くの場面に困難さが生じます。

代表的な小脳疾患

小脳出血と小脳梗塞が代表的な疾患となりますが、それ以外にも、脊髄小脳変性症などの神経難病、アルコール性小脳萎縮症、自己免疫疾患、脳腫瘍等によって小脳を損傷すると上記のような症状が表れます。

小脳疾患では多くの場合、失調と呼ばれる身体のふるえによって筋肉の細やかな制御が難しくなります。その結果、バランスが不安定になったり、手足の動かしにくさが生じます。

それに対して、ふるえが生じないよう必要以上に力を入れて関節を固めたり、サイズの大きい筋肉を同時に収縮させて全身をこわばらせることで、どうにか動作を成立させようとする方もおられます。しかし、このようなこわばり(固定)は体幹や四肢の近位部(肩や股関節)の可動域制限を招き、良好な姿勢や運動の制御から乖離してしまいます。

小脳疾患のリハビリでは、粗大で性急な運動を惹起しないよう、各関節に存在する小さな筋肉の作用に刺激(感覚)を入力し、それによって生じる微細で正確な関節運動を手に入れることが先決です。

小さな筋肉はインナーマッスルと呼ばれ、関節の安定性に大きく関ります。運動の手がかりになるのはこれらの筋肉の他に、足部と体幹の可動性や、支持面と重心の関係性も重要となります。

リハビリでは段階を追って、徐々に運動させる関節の数を増やしたり、重力条件を変えたりしながら、左右対称的な運動から非対称な運動へ移行し、制御すべき筋肉の数を増やしていきます。これらの段階付の中では、目標となる動作場面でも失調が生じないような姿勢のコントロールを生み出すことが目標です。

具体的な練習方法としては、うつ伏せや四つ這い位の練習、寝返り等を用いて、体幹と四肢の近位関節(肩や股関節)の筋活動を促します。
経験的に、失調による不安定感によって転倒等への恐怖心が強くなると、「どれくらい力を入れられるか」にこだわり、強い筋収縮を好む傾向があります。

安楽で安全、かつ効率的な動作の獲得のために

  • ①小さな関節運動
  • ②足部と体幹の可動性
  • ③支持面と重心の関係性
  • というポイントに着目しながら、失調症状の改善を図っていきます。

体験プランを利用した方の声

  • 発症前のような懐かしい感覚で動けるようになった。
  • 頭の中で考えてもできなかったことが、自然に出来るようになった。
  • 手足の末端の動きはあきらめていたが、自分で動かせるようになってきて今は愛おしく感じる。
  • リハビリで練習した内容が翌日以降も続いて、すごいと思った。

とのお声を頂いております。
今のリハビリに満足できていない!という方は、ぜひご連絡ください。

リハビリに期待できること

  • 立っていても揺れなくなる。
  • 手先の細かい運動でも揺れにくくなる。
  • リラックスした状態で動けるようになる。
  • 杖や歩行器を卒業できる。
  • まだまだよくなる可能性を感じる。

など、リハビリを通じて現状よりも「体が動かないこと」への不安を解消することができます。