脳梗塞とは

梗塞とは「ものが詰まり流れが通じなくなる」という意味を持ち、脳の血管の閉塞により神経細胞が壊死してしまうことを脳梗塞と呼びます。

脳に大きなダメージを受けてしまうと、重大な後遺症が残ってしまったり、最悪の場合命を落とす可能性もあります。

脳卒中の中でも多くの割合占めているのも、この「脳梗塞」です。

脳梗塞には発症パターンがあり、主に3タイプに分けることができます。

心原性

不整脈などの心臓病により、心臓内で作られた血の固まり(血栓)が脳の血管を詰まらせることにより発症します。
心臓の血栓は比較的大きなものになりやすく、脳の血管の根本を詰まらせてしまうと深刻なダメージを与えてしまいます。
発症から1年後の生存率が50%程度と言われており、後遺症が重篤なものになりやすいのもこのタイプです。

アテローム性

脳の太い動脈が硬くなったり、「アテローム」という「粉瘤」(ふんりゅう)によって狭くなっている状態が続くと、その周囲の血流が徐々に悪くなり血栓が生じて発症します。
高血圧、高脂血症、糖尿病など、生活習慣病をたくさん持つ人に起こりやすく、かつては欧米人に多いタイプの脳梗塞と呼ばれていたものでした。
現代では、欧米型の食生活に近づいた現在の日本でも増加傾向にあります。

ラクナ梗塞

脳の深部にある細い血管をつまらせてしまうと発症します。比較的、小さな梗塞が多発することが多く、症状の出ない脳梗塞が生じておられる場合もあります。
どちらかといえば高齢の方が発症しやすく、症状自体は上記の2つと比べてもゆっくり進行します。「調子が悪くなってきたので、一旦寝て起きたら手足に力が入らなかった」「ろれつが回らないから、病院に自分で行った」などのお話を伺うことが多く、発症時に意識を失った、というお話はあまり伺うことはありません。

脳梗塞の重症度は「一過性脳虚血発作」と呼ばれる一時的なものから、大脳の約半分の機能を失ってしまうような重篤なものまで様々です。
基本的には詰まらせる血管が太ければ太いほど、あるいは処置までの時間が長ければ長いほど、後遺症は重いものになりやすいとされています。

脳出血とは

脳内の血管が破裂などして出血することを脳出血と呼びます。

脳内に流出した血液が固まると血種と呼ばれ、周囲の組織を圧迫したり直接破壊する等によって脳の働きを阻害します。

脳出血の症状は、出血を起こした場所や出血量によって違いが出ます。
出血量が多かったり、生命維持に重要な部分に出血が起こると、意識障害を引き起こし、死に至るケースもあります。

また、出血した箇所の脳が炎症を起こして腫れてくると、さらに症状が悪化することもあるので注意が必要です。

被殻(ひかく)出血

この部分の血管が破れて脳出血が起こる割合が最も多いと言われています。
「被殻」は、大脳の中央部に左右1対あり、身体の運動調節や筋緊張と強い関わりがある他、学習や記憶などの役割を持っています。

頭痛や麻痺が症状として見られ、具体的には、出血と反対側の手足が麻痺を起こす「片麻痺」や、顔の片側がゆがんでしまう「顔面神経麻痺」などが挙げられます。

被殻のみの小さな出血では本来麻痺は起こりません。ほとんどの場合が被殻から少し外側にある内包という組織へ出血が到達し、その部分の障害で運動麻痺と感覚障害が出てきます。発症初期には筋肉の低緊張が目立ちますが、経過とともに徐々に筋緊張が過剰に生じてしまう「連合反応」や「痙性」などの症状が生じやすい部位です。

視床(ししょう)出血

被殻に次いで割合が多いのが、視床と呼ばれる部位の血管が破れて起こる脳出血です。
視床は体性感覚と呼ばれる筋肉や皮膚などの感覚の他、視覚、聴覚で得た情報を集め、大脳皮質と呼ばれる感覚中枢に送り届ける役割を担っている場所です。
出血によって麻痺や感覚が鈍くなる症状(感覚障害)の他、感覚の乏しさを補うような過剰な筋緊張が生じやすい部位です。

視床はおおよそ脳の中心に位置しており、多数の領域と連絡しあっていることから、感情の問題や、計算力、空間認知、言語の機能にも障害が及ぶこともあります。

皮質下(ひしつか)出血

大脳皮質の下で起こる脳出血です。
「頭頂葉」「前頭葉」「側頭葉」など様々な部位で発症することがあります。
具体的な症状としては、頭痛や片麻痺、五感への異常が見られる感覚障害などが挙げられます。発症部位によっては、片目、あるいは両目の視野の半分が欠けてしまう「半盲」も症状として現れることがあります。

麻痺の症状は比較的軽い事が多く運動機能の予後は良好ですが、高次脳機能障害が残存することもあります。

小脳(しょうのう)出血

小脳は、大脳と脊髄を繋ぐ「脳幹」の背後に位置しており、運動機能をつかさどっているため、「運動失調」が起こることがあります。
頭痛や嘔吐、めまいが起こり、立ち上がるとフラフラしてうまく立てない、歩けないといった運動機能の異常が見られることが特徴です。
小脳由来のめまいは非常に強く、長い間続きます。

最初のうちは意識障害はありませんが徐々に意識障害が起こり、呼吸状態が悪くなることもあります。

脳幹出血

脳幹は脳と脊髄の間に位置しており、生命維持に欠かせない機能(呼吸や血液循環など)をコントロールする非常に重要な機能を持っています。また、顔の筋肉や眼球を動かしたり、飲み込み(嚥下)や発声に関わる筋肉の制御を行っています。

その他にも手足の運動や、体幹、姿勢の制御等にも強い影響を及ぼします。
症状自体は個人差が大きく、ほとんど後遺症が無いケースから重度の四肢麻痺、あるいは手足の後遺症は無いが嚥下機能に課題が残る方まで様々です。

体験プランを利用した方の声

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リハビリに期待できること

  • 自分の意思で、臨んだ箇所に力を入れることが出来る。
  • 歩くときに肘が曲がらなくなる。
  • 麻痺している手で物を押さえたり掴む事が出来る。
  • つま先を上に向けたまま脚を振り出す事が出来る。
  • 「力を入れて踏ん張る」から「楽に支えている」が可能になる。
  • 足の裏の感覚が明瞭になる(親指・小指・踵がわかるようになる)。

など、リハビリを通じて現状よりも「自由に身体が動かないこと」への不安を解消することができます。